飛行機の耳トラブル

航空性中耳炎とは

飛行機に乗るときなど急激な気圧の変化によって生じる中耳炎を航空性中耳炎と言います。
耳の奥には中耳という部屋があり、この部屋と鼻の奥にある耳管開口部までをつなぐ「耳管」と呼ばれる管があります。
航空性中耳炎はこの耳管がうまく働いてくれない時に飛行機に乗って起こる病気です。
飛行機に乗っていて着陸の間際、耳がキーンと詰まる経験をしたことがある方も多いと思います。通常、この場合唾を飲み込む、あくびをするとで回復します。
しかし中にはそれでも治らず、航空性中耳炎が発症する場合があります。
航空性中耳炎は多くの場合着陸時に起こります。症状は気圧が変動することによってもたらされる耳の痛み、その後耳のつまり感、音が聞こえにくくなる難聴などが主なものです。
稀ですが、内耳にまで障害が起こった場合、めまいが起こるケースもあります。

航空性中耳炎の原因と予防、治療

航空性中耳炎は、耳管がうまく働いてくれないため、中耳の気圧の変化に対応できない場合に起こります。
また、風邪を引いている、鼻炎や鼻腔炎などで鼻が詰まっているなどの場合は、健康な状態よりも航空性中耳炎が発症しやすいという特徴があります。
航空性中耳炎が発症した状態で鼓膜を確認すると、鼓膜が内側にへこんでしまったり、鼓膜の奥に液体があったりという状態になっています。

予防法は機体が高度を下げていく到着20~30分前から唾を何回もよく飲むのがコツです。それもあごを横に動かしながら飲む方が効果的です。チューインガムやあめをなめるのも唾を飲み下すことになるので効果があります。乳幼児ですとミルクやジュースでもかまいません。あくびが自在に出来る人はこれも効果があります。
それでも耳の詰まりが改善しない時は口を閉じ、鼻をつまんで鼻に軽い圧力をかけ、息または唾を飲む「耳ぬき」をすればかなりの部分は防げます。
飲酒や居眠りは耳管の機能を弱らせるので避けてください。
風邪を引いたり、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などがある人は予め治療をして「搭乗前に鼻を整えておく」ことが最も重要です。
状況に応じて消炎剤の使用や耳管から空気を入れる治療法が取られますが、場合によっては鼓膜を切開して中に溜まった液体を取り除く治療が必要になることもあります。