背中ニキビ(体幹部ざ瘡)

背中ニキビ

背中や胸、デコルテ、二の腕から肩にかけては、皮脂腺が発達しているのでニキビができやすい場所です。
また、背中は洗いにくいため、古い角質が溜まって毛穴が塞がりやすくなり、アクネ菌が皮脂をエサとして増殖します。
これにホルモンバランスの乱れや不眠やストレスなどによる免疫力低下が加わると背中ニキビができやすくなります。

マラセチアというカビの一種による毛包炎が背中ニキビの原因の人も多いです。

背中ニキビの鑑別(類縁)疾患

マラセチア毛包炎
マラセチア

背中のニキビはマラセチアが関係していることもあります。
マラセチアとは、体に多く存在する真菌、つまりカビの一種です。
毛穴でマラセチアが炎症を引き起こすことにより、マラセチア毛包炎となりニキビのように見えます。

治療は抗真菌剤を長期間塗布します。

毛孔性苔癬
毛孔性苔癬

二の腕、背中、頬の毛穴に一致したブツブツができる疾患です。
女性に多く、小児期よりありますが、思春期に症状が顕著になり、その後加齢とともに目立たなくなってきます。
常染色体優性遺伝で子供が3人いると、そのうちの1人は親から受け継いで発症するようです。
その他ホルモン、ビタミンの代謝異常、外的刺激などの複数の要因が絡み合って毛穴に角栓が詰まり発症します。

毛孔性苔癬の治療は角質溶解剤(尿素製剤、ザーネクリーム、サリチル酸ワセリン)、ピーリング石鹸、トレチノイン・レチノイド外用、ケミカルピーリング、ダーマペン、フラクショナルレーザー、レーザー脱毛などです。

背中ニキビ跡、後遺症

ニキビ跡には黒ずみが残る炎症後色素沈着、赤みが残る炎症後紅斑、ケロイド状に盛り上がった肥厚性瘢痕、陥凹した萎縮性瘢痕(クレーター)があります。

背中は顔と比べターンオーバーの周期が長いため、一度できた色素沈着が長く残ります。
また、背中の上半分は肥厚性瘢痕やケロイド(傷跡が赤く盛り上がる)の好発部位であり、一度できたら難治となります。

ニキビ跡になってしまうと治すのに長い期間を要するため、跡になる前の適切なニキビ治療が重要です。

背中ニキビの治療

当院は背中や胸、デコルテのニキビ治療にも力を入れております。
基本的には顔のニキビ治療と同じですが、マラセチア毛包炎や毛孔性苔癬といったニキビによく似た疾患を鑑別し、治療することが大切です。
顔と比べ使える薬剤が限られており、また広範囲であることから使い方に工夫を行い、提案しています。

外用薬

にきびの治療の主体は塗り薬の継続といっても過言ではありません。
にきびをできにくくする外用薬(毛穴の詰まりをとる作用・角質剥離作用・ピーリング効果)と抗菌外用薬(殺菌作用)です。
マラセチア毛包炎の場合は抗真菌剤を長期間塗布します。

ここで重要なのは毛穴の詰まりをとる作用の外用薬は、特に使い始め2週間(~1ヶ月)をピークにかゆみや痛み乾燥などの刺激症状がでるため使い方に気を付け、自己判断で止めないことです。
徐々に刺激症状も減り、使いやすくなるので使い始めは何か不安なことがあればすぐに相談してください。

にきびをできにくくする外用薬

ベピオゲル

ベピオゲル

4種類あるニキビをできにくくする外用薬で唯一、背中ニキビ(体幹部ざ瘡)に保険適応のある薬剤です。
ディフェリンゲル、デュアックゲル、エピデュオゲルは正式には背中ニキビに適応がありません。
毛穴のつまりをとるピーリング効果と酸による殺菌効果があり、白にきびと赤にきびに効果があります。これを長期間継続して使うことで新しいニキビができにくくなります。

抗菌外用薬

抗菌外用薬は全体に塗り広げるのではなく、赤にきびや黄にきびといった炎症を伴ったにきびだけに塗ってください。

アクアチムクリーム・ローション

アクアチムクリーム・ローション

ダラシンTゲル・ローション

ダラシンTゲル・ローション

ゼビアックローション

ゼビアックローション
抗真菌薬

ニゾラールクリーム

ニゾラールクリーム

背中ニキビとよく似ているマラセチア毛包炎の薬です。

カビの仲間であるマラセチアの繁殖を抑えるためのクリームです。
この薬を継続使用することで治療と予防を行います。

内服薬
抗生剤

赤にきびなど炎症を伴ったにきびが、中等度以上ある場合に処方します。
抗生剤は長期間内服すると効かなくなるため塗り薬の治療を基本とし、悪化時のみ使用します。
ビブラマイシン(テトラサイクリン) ルリット(マクロライド) 
ファロム(ペネム) レボフロキサシン(ニューキノロン)を使い分けます。

ビタミン剤

ビタミンB2(フラビタン)・ビタミンB6(ピドキサール)
ビタミンC(シナール錠・ハイシー顆粒)
L-システイン(ハイチオール)

※ビタミンB2・B6・Cは皮脂を抑える働きがあります。
※ビタミンC・L-システインはにきび跡の黒ずみ(色素沈着)を改善します。

漢方薬
十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう) 初期のにきびで炎症が比較的弱く、小膿疱が散発
荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう) 慢性の発赤を伴うにきび
浅黒く皮膚乾燥傾向
清上防風湯(せいじょうぼうふうとう) 顔面紅潮を伴う赤にきび
思春期 青年期のあぶら肌
排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう) 発赤腫脹を伴った膿疱、面疔
桃核承気湯(とうかくじょうきとう) 月経前に増悪
のぼせタイプ 便秘傾向
桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん) 月経と関連してにきびが悪化
のぼせタイプ 女性の大人にきび
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) 月経と関連してにきびが悪化
色白 冷え性
ケミカルピーリング(サリチル酸マクロゴール)
ケミカルピーリング

健康な肌は28日間かけて角質が剥がれて新しい皮膚細胞に生まれ変わります。これをターンオーバーといいます。
ターンオーバーが正常に行われなくなると古い角質が毛穴の詰まりを起こし、ニキビができやすくなります。また、ニキビ跡も消えにくくなります。

ケミカルピーリングはサリチル酸マクロゴールという薬剤で皮膚の角層を剥がれやすくすることでターンオーバーの正常化を促します。
併せてビタミンC誘導体のイオン導入を行うことでさらに効果が高まります。

イオン導入

ビタミンCにはメラニン色素の生成を抑える力があり、しみ・にきび・毛穴の引き締めでお悩みの方にお勧めの誘導体です。 肌を老化させる原因のひとつと言われる「活性酸素」を取り除く効果があり、同時に、コラーゲンの再生も促し、内側から肌を活性化させ、肌にハリやうるおいを与えることができます。

ピーリング石鹸(サンソリット スキンピールバー)

ティートゥリー

ピーリング石鹸

繰り返すニキビ、脂性肌、背中や胸など体のニキビに効果的です。

ハイドロキノール

ハイドロキノール

ハイドロキノンが入っておりニキビ跡の黒ずみ、くすみに効果があります。

ZO SKIN HEALTH(ゼオスキンヘルス)

ボディーエマルジョンクリーム

ボディーエマルジョンクリーム

ニキビ、黒ずみ、くすみ、二の腕のぶつぶつなどでお悩みの方はゼオスキンヘルスのボディーエマルジョンクリームをお勧めします。

レチノール配合のボディー用クリームでニキビやニキビ跡の黒ずみ、くすみを抑え、弾力と透明感のある肌へ導きます。

ボディー用のため容量が240mlとたっぷりで毎日しっかりと使用していただけます。