Bスポット療法(上咽頭擦過療法:EAT)

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Bスポット療法(EAT)とは?

Bスポット療法とは、慢性上咽頭炎に対する治療法で、塩化亜鉛をしみこませた綿棒で、咽頭をこすりつける治療法です。「上咽頭擦過療法:EAT」とも呼ばれます。
50年以上前に日本で始められましたが、あまり普及せず一部の耳鼻科で行われていました。
しかし、最近その効果に再び注目が集まり、全国の耳鼻科で徐々に広がってきている治療法です。

慢性上咽頭炎とは?

上咽頭は、左右の鼻の穴から吸い込んだ空気が合流して気管へと向かう、咽頭へ通じる空気の通り道です。ここに慢性的な炎症が生じている状態を「慢性上咽頭炎」と呼びます。

慢性上咽頭炎の症状は?

慢性上咽頭炎はしつこい鼻詰まりや、鼻水が喉に流れる後鼻漏などの鼻の症状だけでなく、全身のさまざまな不調を引き起こすと言われています。 たとえば、首や肩のこり、長引く咳(慢性咳嗽)や痰、のどの違和感、のどの痛みが見られます。また、上咽頭と隣接する口の中には、歯痛や舌痛が生じることがあります。一見関係がなさそうに見える場所にも不調が生じることがあり、めまいや不眠、思考力や記憶力、集中力の低下などの精神面にも影響を及ぼします。また、女性では月経不順を引き起こすともいわれています。全身の症状として、全身にいたる痛み(全身痛)や全身がだるい、重いと感じる全身倦怠感、なかなか疲れがとれない全身疲労感を伴う慢性疲労症候群とも関連があることが指摘されています。

慢性上咽頭炎の治療としてのBスポット療法

このようにさまざまな不調を引き起こす慢性上咽頭炎の治療がBスポット療法です。 Bスポット療法は1回の治療で症状が改善することがありますが、炎症が起こってからの経過が長い場合には、回数を重ねて治療することが必要になることもあります。 目安としては週に1~2回程度の治療をまずは20回を目安に続けることをお勧めしています。 症状が改善すれば終了しますが、完全に中止すると症状がぶり返すため間隔を置いて続けていくこともあります。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎(蓄膿症)をお持ちの方は同時にそれらの疾患の治療も行います。
まず鼻からファイバースコープを入れ、上咽頭の状態をチェックします。

腫れや炎症があれば、塩化亜鉛という刺激のある薬をしみ込ませた綿棒を上咽頭にこすりつけます。当院では上咽頭全体にしっかりとこすりつけるため、鼻と口の両方から行います。炎症のある粘膜にこすりつけるため治療中・治療後はヒリヒリした痛みを感じますが、1~2時間程度で徐々におさまります。擦りつけた綿棒には血がついていることもありますが心配いりません。
治療を繰り返すと痛みや出血は軽くなっていくことが多いです。

Bスポット療法は個人差がありますが痛みを伴う治療法です。しかし、長い間治らず悩んできた様々な症状がある方にはおすすめできる治療だと思います。
保険適応の治療であり、回を重ねることで変化が実感できることも多い治療ですから、喉や鼻の不調やぼんやりした症状が取れずすっきりしない方は是非ご相談ください。

慢性上咽頭炎
当院も治療医療機関として掲載されております。