手術を行うにあたって
医師が状態を確認して、最適な治療方法を提案します。
治療方針に納得いただいたら手術を行います。
手術の日程と所要時間
診察後にすぐ手術をすることが可能です。混雑状況などにより当日の手術ができない場合にはご予約いただいています。なお、手術の所要時間は20分程度が目安となります。
手術時の痛み
局所麻酔を行うため、手術中の痛みはほとんどありません。局所麻酔を行う際のチクっとした痛みも、できるだけ軽減できるよう細い注射針を使うなど工夫しています。
手術の工夫や注意点
当院では自然な耳たぶの形に戻して、できるだけ傷跡を目立たなくするために、形成外科の技法を用いた手術を行っています。
代表的な手法には、直線法、Z型形成術、W形成術があります。
直線法は、切除面積を最小限にして左右のバランスを整えやすい手法です。裂けた部分に沿って直線的に皮膚を切り取って縫合します。Z型形成術では、傷口の両側に切り込みを入れてZ形にして縫合しますので、引きつれなどの解消が可能です。W形成術では、ジグザクに縫合することでキズ跡の影を分散させ直線法に比べて目立ちにくくなります。
直線法
Z型形成術
W形成術
丁寧に縫合します
極細の糸を使って丁寧に縫合することで傷跡ができるだけ残らないようにしています。
繊細な操作のできる道具や手術器具
良い視野で手術をするためにヘッドライトと拡大ルーペ(最近ではハズキルーペ)を使います。
また、繊細な操作をおこなうための専用の手術器具や細い糸を使います。
耳垂裂手術の流れ
1手術前に耳垂裂の状態をよく観察します。
2最も適した切開ラインをデザインし、ペンでマーキングを行います。
3デザインに沿って皮膚を切開し、裂けたキズ部分の皮膚を切除し縫合します。
4丁寧に縫い合わせてから手術終了となります。
5術後7日目で抜糸を行います。
手術後の注意点・傷跡の経過
入浴
シャワーは翌日から可能です。
運動・飲酒
当日の運動・飲酒は控えてください。
治療後のキズ跡の経過
赤み
キズ跡の赤みの正体はキズに酸素や栄養を運ぶために体が新しい血管(新生血管)を頑張って作っているためです。血液の赤い色素(ヘモグロビン)が透けるため赤く見えています。
通常1~3ヶ月の創傷治癒反応のピークが過ぎれば、徐々に周囲の色と同化していきます。
盛り上がりや硬さ
キズ跡の盛り上がりや硬さの正体はキズを修復しようと体が反応し肉芽組織が増殖している状態です。(キズの増殖期)
通常この反応は3ヵ月を過ぎると徐々に落ち着き、半年~1年で平坦で柔らかくなっていきます。(キズの成熟期)
肥厚性瘢痕・ケロイド
ごくまれに前述の盛り上がりや硬さ(キズの増殖期)が強く、長引く場合があります。
これには体質(人種・遺伝的要素)好発する場所(耳は特に好発部位)が関係します。
ケロイド体質の方や手術直後に肥厚性瘢痕やケロイドの兆候がみられる場合は内服薬と外用テープを使いながら経過観察します。
料金
※下記の金額は全て税込価格となります。
ピアストラブルに関する手術
ピアスケロイド | 保険診療 | ― |
---|---|---|
ピアス穴修正 | 自費診療 | 11,000円 |
耳垂裂(先天性) | 保険診療(自己負担 3割の場合) | 32,868円 |
耳垂裂(ピアスによるもの) | 自費診療 | 38,500円 |
※初診料、再診料、薬剤料が別途かかります。