顔のケガ・キズ・キズ跡

大切なお子様が顔にケガをしてしまった、できるだけきれいに治してあげたい、縫合処置は必要? 救急病院で縫ってもらったがどうも心配だ、などなんでもご相談ください。

ケガの治る速さやキズ跡の状態は初めに行う処置でほぼ決まります。
ケガの程度に関わらず、速やかに形成外科を受診してください。

ケガ(新鮮外傷)の種類

すりキズ(擦過傷)

アスファルトや校庭で転んで擦りむいたキズには微細な砂や土が紛れており、治った後まで残っている状態を外傷性刺青といいます。
これを防ぐためには受傷後早期にキズの十分な洗浄・ブラッシングを行い、細かな異物を除去しておくことが大切です。
すりキズはキズを乾かさない治療(湿潤療法)のためハイドロコロイドなどの創傷被覆材
を使い、素早く治すことで跡を残さず治ります。

切り傷(切創)裂けたキズ(裂挫創)

ガラスなどの鋭利なもので切ったキズを切創、何かにぶつけて切ったものを裂挫創といいます。これらのキズは縫合処置を早期に行う必要があります。
縫合技術やその後の処置によってキズ跡の状態に差がでますので、速やかに形成外科を受診してください。

刺し傷(刺創)咬みキズ(咬創)

枝や釘などが突き刺さったものを刺しキズ、犬などの動物に咬まれたものを咬みキズといいます。
創口が狭くて奥が深いキズなので異物や錆、口腔内の細菌が残っていることが多いです。
この場合炎症が長引きますので、異物除去や念入りな洗浄と有効な抗生剤の投与が必要になります。

顔面骨骨折

鼻骨骨折・頬骨骨折、眼窩壁骨折など顔面骨骨折はCTを撮影して診断します。
3D-CTでみると骨折の状態が一目でわかります。
当院ではコンビームCT(低被ばくCT)でより安全な検査を実施しています。

  • 顔面骨骨折
  • 顔面骨骨折

形成外科でのケガ・キズ治療の特徴

創傷治癒のメカニズムを考慮した治療(湿潤療法)

当院で主に使用する創傷被覆材

キズの治療は時代とともに大きく変わりました。

(例)
キズは乾かすと治る→キズは乾かさない、程よい湿潤を保つ
キズはガーゼで覆う→創傷被覆材を使う
キズは消毒しないと化膿する→消毒は化膿を防げない・必要ない
キズは濡らしてはいけない→キズはよく洗った方がよい

このようにキズ治療は時代とともに変化しています。
迷ったら形成外科を受診しましょう。

キズがきれいで目立たない形成外科的縫合

真皮縫合

汚染されたキズには不向きですが、真皮縫合を行うことで細くて目立ちにくいキズに仕上がります。
吸収糸(数か月かけてゆっくり溶けてなくなる糸)を使い、埋没縫合(皮膚の深いところで固定し埋め込んだ状態にする方法)を行います。

真皮縫合を的確に行うとそれだけで皮膚表面は密着しますが、さらに皮膚表面をナイロン糸(溶けない糸で抜糸が必要)でぴったり合わせます。この時ムカデの足のような縫合糸跡をつくらないように「細い糸を使う」「強く締めず軽く合わせる」「的確な時期に抜糸する」ことが大切です。

繊細な操作のできる道具や縫合器具

良い視野で縫合するにはヘッドライトと拡大ルーペ(最近はハズキルーペ)を使います。また繊細な操作を行うためには専用の器具や細い糸が必要です。

  • 繊細な操作のできる道具や縫合器具
  • 繊細な操作のできる道具や縫合器具

ケガ治療後のアフターフォロー

抜糸後はきれいに治すため3ヶ月程度のテープ固定をおすすめすることもあります。
キズの盛り上がり(肥厚性瘢痕・ケロイド)、色素沈着の予防や治療が必要な場合は定期的に診察いたします。

キズ・キズ跡に対する追加治療

受傷直後の創傷治癒を早める治療やキズ跡の赤み、凹凸など、キズ、キズ跡の治療に有効な選択肢を多数用意しておりますのでお気軽にご相談ください。

ヒーライト(HEALITEⅡ)

血行促進やコラーゲン生成作用があり、受傷直後にヒーライトをキズにあてることで創傷治癒が促進されます。また、皮下出血や腫れ(むくみ)をはやく改善させる効果もあります。

キズ跡の赤みフォト治療ICON

キズ跡の赤みにはIPL治療の中でもICONが有効です。

キズ跡の陥凹(フラクショナルレーザーダーマペン)

時間がたってキズ跡が気になる場合はフラクショナルレーザーやダーマペン、修正手術を提案します。

キズ跡の陥凹(フラクショナルレーザーダーマペン)

キズ跡の陥凹(フラクショナルレーザーダーマペン)

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